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楽園の内包 Paradise Enclosure

私は前回ニコニコ動画改めniconicoの新プレイヤー(ZeroWatch)登場直前に、niconicoは双方向性を弱め、従来型のテレビとなることをを目指しているのではないか?と書きました。

さて、ZeroWatchが実際に発表されたいま、皆さんのご感想はいかがでしょうか?

私自身は、自分の言ってきたことが、あまり間違ってなかったと感じています。いやこれって熱い自画自賛ですかね?

というわけで、その後わかったいくつかの事象を含めて、再びniconicoの行く末を考察してみようと思います。

例によって、私自身の独断と偏見によりますので、そこら辺はあまり突っ込まないでいただければ幸いです。

また、あらかじめ明らかにしておきますが、あんまり明るい展望を語るというお話にはなりそうもないので、ZeroWatchとniconicoの未来に明るい希望を感じている方は、いまここで回れ右をすることをオススメいたします。
というわけで、

さて、悪評フンプンのZeroWatchですが、まあ何ですね、既存のユーザーであれを『使いやすい』などとおっしゃる方は。かなり少数派なんじゃないかと思います。

そのあたりについては、gouzouさんがまとめて下さってます。参考にさせていただきました。ありがとうございました。

さて、ここにも紹介されていますが、てってってーPのご指摘が極めて重要ではないかと思います。


このプレイヤーが違和感なく使えるのは

  動画を投稿はしない
  特定の投稿者に興味を持たない
  コメントしない
  マイリストしない
  タグは気にしない

人なんじゃないかなと思います。


つまりこのプレイヤーが対象とするのは、既存のニコニコ動画のユーザーではなく、新規ユーザー、ライトユーザー=niconicoをテレビのように楽しむユーザーではないかということです。

そして、もう一つむーくPがとても重大な指摘をされています。


■PCから俺は見てんだよ!新UI使いづれぇよ!

ぶっちゃけ、このUIは「タッチパネル操作」を目指しすぎていて、マウスで指定したり、キーボードアクションしたりといった、PC向けのUIじゃありません。

タッチパネル操作に必要なのは、とにかく「アクション可能箇所のサイズをどれだけ大きくするか」という事。

そういう意味では、PC上からではふざけてんのかと思うようなコメント入力操作は頷けます。パネルから旧プレイヤーでコメント打とうとは思わんですものね。

他のアクションについても、指で大雑把な操作でもちゃんと意図した通りの操作に出来るように出来ているので、さぞかし”目的の機器からは”使いやすいでしょう。


タッチパネルでの操作に最適化されたUIという指摘です。むーくPはスマートフォンやタブレットを想定されているようですが、私は実はそれにとどまらないのではないかと考えています。

と言いますのも、超会議に合わせて以下のような重大な発表がされていたからです。

ニコニコ動画が操作性改善 ソニーとパナソニックは対応テレビ開発 ー日本経済新聞

タイトル見て盛大に吹いたのは私だけではないと思います。操作性改善ってwww。それにしても驚くべき発表ですね。私はニコニコ動画はメディアとしてテレビ化を狙っていると言ってきましたが、現実はさらに斜め上を行っていて、彼らは本当に『テレビの中に入る』つもりなのです。なんとまあビックリ!!

つまりZeroWatchはテレビでniconicoを視聴するためプレイヤーであり、そのためのUIだったのです。

スマートフォンには高精細で重すぎるけど、PCで視聴するにはインパクトに欠ける中途半端な解像度や、既存ユーザーにとってはわけのわからないUIも、これで説明が付くと思います。おそらくはSONYやPanasonicですから、Androidタブレットか専用のタブレット型リモコンなどを使った操作が想定されてるのではないかと思います。

最も評判が悪い動画上にマウスオーバーしないとできないコメント機能も、テレビに内蔵するためとなればうなずけますね。

で、非常に興味深いことに、かの戀塚氏がここで、Windows8(METRO)のコメント機能の開発について語っているのですが、ここを読むと、戀塚氏は『コメント入力欄を画面中央に配置するとすごく使いにくいので改善した』と書いているわけです。ということは戀塚氏とZeroWatchの開発陣は、別部隊ではないかと考えられるのです。

私はZeroWatchの開発陣は、戀塚氏のような『ニコ厨』ではなく、家電やスマホのソフトウェアを開発していた人達ではないかと考えます。そしてそれは夏野氏の指揮下にある可能性が否定できません。 

おそらくこうした一連の流れを作ったのは、川上会長と夏野氏ではないかと推察します。川上会長は最初からこうしたありかたを目指して、DOCOMO出身でハードウェア業界にもパイプが太い夏野氏をスカウトしてきたのではないでしょうか?

そして夏野氏がプレミアムユーザの会員数を増やすことに躍起だったのは、それによる収益の改善が目的ではなく、テレビ化するときに備えて、コンテンツの作成者を確保し、ユーザーの囲い込みを行なうことが目的だったのではないかと思います。

また超会議とはユーザーと運営の交流の場ではなく、SONYやPanasonicなどハードウェアメーカーにニコニコ動画の勢いを示すためのプレゼンの場であり、niconicoTV(という名前ですよね、きっと)とそれに対応するプレイヤーであるZeroWatchのお披露目の場だったのではないでしょうか?赤字を覚悟のイベントであったにもかかわらず、川上会長や夏野氏が来場者数に強いこだわりをみせ、未完成のZeroWatchを無理矢理にでもリリースしたのは、そのためだったのではないかと推察します。

ZEROの新機能の中では、24時間ノンストップの『Nsen』と音楽ダウンロード機能『NicoSound』が、niconicoTVにとって目玉コンテンツの一つとなるべくして考えられたものでしょう。

『NicoSound』については著作権のマイクロ許諾という新しい概念を導入するものとして、個人的には評価していたのですが、創作の裾野を広げるためのものではなく、ボカロや歌ってみたを売るための道具だと考えると寂しい気がします。

そういえば、話はちょっとそれますが、最近ひろゆき氏の影が薄いのは、ひょっとしたらテレビ化するにあたって邪魔になったのかもしれませんね。コワコワ

かくしてニコニコ動画改めniconicoはテレビになるだけでなく、テレビの中に取り込まれる存在になりました。わたしにとってはそれは『楽園の喪失』であるだけでなく、既存メディアによる『楽園の内包』を意味します。

楽園は既存の勢力に取り込まれても、はたして楽園のままでいられるでしょうか?

個人的に甚だ悲観的であると言わざるを得ません。

加えて、niconicoTV(?)自体の運命に関しても、個人的はとても悲観的な見通しを持っています。コンセプトは必ずしも間違ってはいないと思いますが、AppleもGoogleも同じようなビジョンを持ちつつも未だ成功していないフィールドです。ここで成功するには尋常ならざる努力と幸運が必要でしょう。そしてZeroWatchのドタバタを見る限り、そうした気配は、正直言ってあまり感じられないのです。

かといって、ニコニコ動画とそこに集う素晴らしい才能、それ自体には絶望しているわけではもちろんありません。

いまこの瞬間、私にとってニコニコ動画はまだまだ楽しい遊び場ですし、もとより『自重なき医師団』と揶揄される私ですから、楽園が本当に失われるその日まで楽しく遊び続けようと思うのです。というわけで、これからも皆様よろしくお願いします。

Comment

No:15|
考察を興味深く拝見しました。
今までも運営はユーザーの声を無視して暴走する傾向にありましたが
今回は本当に酷いですね。

日本の家電メーカーはコンテンツビジネスが今ひとつわかってない印象があるので
そこに擦り寄ったデザインをするのはどうなのかなと思います。

個人的に未来を言うとニコニコ内蔵のテレビは流行らず、
そしてアップルやグーグルが革新的なデザインのテレビで参入するも
日本のコンテンツホルダーがコンテンツを提供しない。
そして一番割を食うのは消費者になる。

…という今の音楽業界で起こっていることが
そのまま映像でも起きそうな気がします。
ニコニコ動画はそうしたところから離れた位置にいてほしいのですが、
運営はそう考えてないようで極めて残念ですね。
No:16|コメントありがとうございました
s様、コメントありがとうございました。

かような過疎ブログにコメントしていただき感謝します。

御説の通りかと思います。このままでは消費者だけでなく、創作者もまた割を食うことになりかねません。

創作者も、メディア=ニコニコ動画も、視聴者も、そしてメーカーも、全てが高いレベルにあるにもかかわらず、戦略的思考を欠き、それぞれが目先の利益に走るならば、この国の文化的な未来は暗いと思うのです。
No:17|
こちらでは初めまして?ですね。よろしくお願いします。

まだ自分は新UIに移行してない(したくない)のですが、各所の話しを聞いて考えてみると、本当の意味でのライトユーザー(コアな用途にPCを使わない)人向けと言う印象を受けました。

それって・・・今有るパイは食いつぶしたから次のパイを求めに行かなきゃって考え方なのかなぁと。

そうなるとユーザーの意向を無視と言うよりは違うユーザー層へのアピールになると思うので、ちょっと乱暴な言い方になりますが「既存ユーザーはあんまり意識しなくても良い」ってことになるのかも知れませんね。

あとは特定投稿者・特定配信者へ興味を持たせる事によって安価で集客出来る方法論なのかもしれません。

それとSNS化も考えている気がします。
上手く良くかと収益の問題はあると思いますが。

なので初期からのユーザーは当然使いやすい訳がないですよね・・・。

ただ、仕様が変わったとは言え、自分も現状この楽園から離れる気はさらさら無いです。
だって、最初からつきあってしまったのでw

No:18|PzB
 考察、拝見いたしました。タブレットに特化したUI作りをしているとは想定できましたが、まさかドコモから関係の深い人物を連れてくるとは…。旧世代的な使い勝手の悪さもこれで説明がつくと思います。
 さて、ニコニコ自体がコンテンツを作るという話がありましたが、今までのニコニコのムーブメントを作り出していたコンテンツは、ひょんな事でユーザーの目に止まった動画か、ユーザーのツボを無意識的に心得ており、そこに心血を注いだ動画でしかないと思うのです。で、以前からニコ動では動画コンテストを開催しており、運営が選んだ大賞の動画は一般のユーザーにはとても理解できないものでした。このような現状の中、仮に動画投稿がなくなった場合、彼らは果たしてコンテンツを自力で作ることができるのでしょうか?
 優良コンテンツを自ら断ち、前世代のシステムに改悪したニコ動の将来はどうなるのか、期待と不安でなりません。
No:19|
コアな用途にPCを使わないライトユーザー向け、にしては高PCスペック要求してる矛盾。
No:20|
ぽぽんがぽん様、

いつも楽しい生放送視聴させていただいております。

ぽぽんがぽん様のご指摘は正しいと思います。

いままでのニコニコ動画は、イノベーター理論でいうところのイノベーター層を対象にしていたのですが、今後はアーリーアダプター以降の、いわゆる一般大衆をターゲットにしていくつもりだと思います。

問題はコンテンツをどうするかですが、これについては次のコメントにお答えするかたちとさせて下さい。

というわけで、今後ともニコニコ動画という遊び場で一緒に遊んでやって下さいませ。
No:21|
PzB様、

鋭いご指摘ありがとうございます。

『テレビ化』したニコニコ動画が直面するもっとも大きな問題は、ご指摘の通りコンテンツの供給にあろうかと思います。

一つは現在の通りの公式配信の強化であり、DOCOMOでiモードを立ち上げた経験のある夏野氏はそのあたりには自信を持っているのかもしれません。でも、私に言わせれば時代遅れの考えなんですけどね。

イノベーター層が綿々と積み上げてきたUCC(User Created Content)に関して言うならば、短期的には大きな変化はないのだろうと考えています。この層はとても柔軟性が高いので、文句は言いますが、Zeroにも徐々に順応していくだろうと思います。ただし、同時に非常にプライドが高い層でもありますので、運営が制約を強めたり、搾取するような姿勢を示したりすれば、一気に熱が冷めることも考えられます。最近の運営のやりかたをみると、中長期的には、残念ながらそうした流れに沿ったUCC衰退のリスクはかなり高いのではないかと危惧しています。

本当はクリエーター(=イノベーター)のための原宿的世界と、テレビ(=一般大衆)向けのZero的世界を分離したほうが良いのではないかと個人的には思っていますが、原宿とZero自体が運営内部のイノベーター的世界と大衆的世界の抗争と考えられなくもないので、そのあたりは今後とも注意深い観察が必要だと思います。
No:22|
ライドウ様、
(最初にお返事したときお名前を間違えてしまい、失礼致しました)

まさしくその通りで、PCでの視聴を考えると訳がわかりませんよね。

でも、HDパネルとハードウェアエンコーダーを持ったテレビでの視聴と考えるとどうでしょうか?

実際にはハードウェアメーカーも含めた設計は終了していて、そのあたりはクリアできたからこそのZeroWatchではないかと考えています。
No:23|
はじめまして。
とても興味深く拝見させていただきました。

日本においてコンテンツホルダーはことオタクなどのサブカルチャーでの成功を良しとせず、一般層へと向かってしまう傾向があるように思えます。
そうした一般化が往々にして悲喜劇を生むのは、サブカルチャーなどの歴史をみれば分かろうものなのですが……。

恐らく両者の層で求めるものが違うのでしょう。
そこを強引に融合させても、拒絶反応を発生させて壊死するだけだと思うのですけどね。

踏み込んではいけないところへは踏み込まない、自重するのもまた勇気だと思います。
No:24|
七誌様、

コンテンツホルダーのみならず、企業という物は基本的に成長と拡大を指向しますので、多くの場合マイナーなポジションにとどまることをよしとしません。したがって自然とメジャーへ向かいます。これは一種の本能と言えます


ただ、これからの日本は今までのようにメジャーなものだけで他国と渡りあうことは難しくなっていくでしょう。家電やエレクトロニクスがその代表格です。もっとニッチな市場を開拓する知恵が必要だと思うのです。

オタク的なサブカルチャーなんかとっても良いニッチな市場で、ニコニコ動画はそこで覇権をとっていただけに、おっしゃるようにな『自重する勇気』をもって欲しいものです。

うん、いい言葉ですね。素晴らしいです。
No:25|
初めまして。頷きながら拝読させていただきました。
ZeroWatch、これって見えるものがゼロ、視界不良と訳せませんか?名は体を現すといいますが・・・。
いち投稿者の視点でこれを見るとこれほど酷い物はないですね。
「ぼくのかんがえたさいきょうのがんだむ」のような無駄機能積みすぎのダメさ以前に、レイアウトの時点で「投稿者は動画を作る機械」的な蔑みと悪意を感じます。
左扉に動画のおまけであるはずの市場のアフィを貼り、投稿者の情報はページの隅に葬り去る。動画を作った人間など存在しないかのような扱いのレイアウト。
少なくない時間を掛けて製作し投稿した動画を掠め取られた上で、「お前の動画はアフィ張る為の道具でお前の存在などアフィ広告以下だから」と言われてる気がするのは被害妄想ですかね?
No:26|
いち投稿者様、

コメントありがとうございました。

おっしゃることごもっともで、被害妄想ではないと思います。使いにくさ以上に視聴者を苛むのは、そうした運営の『隠された意図』であろうと思います。

そのあたりは次回のエントリーで、そういう世界でどう生きればよいかについては、その次のエントリーで書きたいと思っています。

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