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アナクロニズムの美学 アイドルマスター『Mythmaker ~聖典偽書~』(arr. ver) Die棟梁P

Die棟梁P


2年の年月を経て完成された動画です。途中で予告動画もアップされていましたから、楽しみにしておられた方も多いのではないかと思います。私もその一人です。
実は某ネットラジオでこの動画が取り上げられたとき、「むせかえるような2009年臭」と書き込もうとして思いとどまりました。誤解されそうで怖かったのです。

画像といい、ストーリーといい、構造といい、まがうことなき『あの時代』、2009年の空気をそのままに伝える動画です。そういう意味では、今この瞬間、2011年のニコマス動画とはやや違う空気を身にまとった動画と言えるでしょう。

BB素材を使った画像合成技術の進化が止まらなかったあの時代。不可能なんてないと思えたあの時代。ずっとこのままこういう時間が続くのではないかと感じていたあの時代。あの時代の熱であるとか、夢であるとか、希望であるとか。そういう感情がこの動画には詰まっているのです。

そして、いまこの瞬間。われわれは、現実は必ずしもそうはならなかったことを知っています。

そういう意味で、この動画はアナクロニズム(時代錯誤)の存在と言ってもいいでしょう。2011年に備えているべき『機能』を実装しているとは言えません。

こう書くと、この動画をdisっている、あるいはアナクロニズムにネガティブな印象を抱いていると誤解されるかもしれませんが、そうではありません。

この動画はそれだからこそ美しい光を放つのだと思うのです。その時代に求められる『機能』を実装すれば、必ずしも美しいとは限らないのです。

戦艦大和は、すでに大艦巨砲時代が終わりを告げ、空母と艦載航空機による制空権の制覇が戦争の勝敗を決する時代に生まれました。まさしくアナクロニズム(時代錯誤)の存在でした。そしてそれゆえ滅びました。それだからこそ、人々はそこに『美』を見出します。こうして戦艦大和は伝説たり得たのです。

この動画は2011年の地平に、2009年の『美学』を実装して、雄々しくそびえ立ちます。

それはある種、退廃と爛熟の美学の産物であると同時に、強固たる意志の産物です。

それゆえに、にわかではありますが、私は、大いなる畏敬の念を持ってそれを見上げるほかないのです。

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