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共依存  『千早を飼うことになった』 陽一P

陽一P/Pセプター


問題作です。

テーマは『愛』。

悲しいけど、心を打つ。
歪んでいるけど、純粋な。
狂っているけど、美しい。

そんな愛の物語です。

(以下ネタバレあり)
"一時は日本の頂点にたったスーパーアイドル”だった千早が、おそらくは声を失って、Pと二人ひっそりと生きているのであろう世界が舞台です。ストーリーは見ていただければわかるとして、やはり注目すべきは千早とPの関係性でしょう。

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君がどうなろうとも、ぼくだけはずっと、一緒にいるから。
千早は、そんなぼくの言葉を信じてくれた。それがとても嬉しい。
他人から見れば狂ってるのかもしれないけれど
ぼくには千早がいるし、千早にはぼくがいる。
これはこれで結構幸せなのだ。

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この動画における千早とPの関係は、『共依存』と呼ばれるものです。Wikipediaから引用しましょう

『共依存(きょういそん、きょういぞん)とは、自分と特定の相手がその関係性に過剰に依存する、その人間関係に囚われている状態を指す。一般的に「共依存」と言うと、病的な人間関係などを指すことが多い。共依存者は自己愛・自尊心が低いため、相手から依存されることに無意識のうちに自己の存在価値を見出し、共依存関係を形成し続けることが多いと言われる。』

共依者は以下のような特徴を有するとされています。

『共依存者とは、自己自身に対する過小評価のために、他者に認められることによってしか満足を得られず、そのために他者の好意を得ようとして自己犠牲的な献身を強迫的に行なう傾向のある人のことであり、またその献身は結局のところ、他者の好意を(ひいては他者自身を)コントロールしようという動機に結び付いているために、結果としてその行動が自己中心的、策略的なものになり、しだいにその他者との関係性から離脱できなくなるのである。』(加藤篤志)

千早はアイマスのアイドルの中でも、もっとも自己愛(自尊心)が弱く、自己評価の低い人間です。そしてそれは、複雑な家庭環境=機能不家庭に起因する部分が大であることが推察されます。(余談になりますが、個人的には千早の次に自己評価が低いのは伊織じゃないかとふんでいます。彼女も機能不全家庭に育っていることは興味深いと思います。)

彼女の自我は『歌』によりかろうじて補強されており、もし彼女が歌を奪われるようなことがあるならば、彼女の人格は崩壊の危機に瀕することは容易に推察できます。

そして、この物語はそうした『歌を奪われた千早とP』の物語です。

おそらく、そうするしかなかったのだろうと思います。千早はPに依存し、Pは千早に依存されることに依存し、お互いにギリギリの線で自我を維持し、周囲の世界とかろうじてつながっているのです。

千早はPのためだけに存在し、Pは千早のためだけに存在する。そういう意味で、これは純愛の物語です。悲しくて、歪んでいて、狂っているけど、愛の物語です。

この先に未来はありません。二人はゆっくりと狂気にむしばまれて、最後には破滅するでしょう。

病気だと定義するのは容易です。狂っていると指弾するのも容易です。

でも、この状況で他に何ができるのか?

それに対する回答を持ち得ないわれわれは、胸をかきむしりつつも、言葉もなく、呆然と破滅していく二人をを見守るほかないのです。

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