スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

境界線 -Borderline えびP

うわー、辺境ブログがさらに辺境になってる。いくらなんでも放置しすぎ!

というわけで、皆様お待ちかねの『KAKU-tail 6』の公開がはじまりました。



このなかから、第1夜のとりをつとめたえびPの作品について語ってみたいと思います。テーマは『線』です。

いや、にわかの自分がニコマス動画について感想を語るのはやめにしようと思っていたのですが、どうしても我慢できませんでした。許してくだしあ。

このエントリはガルシアPの下記のエントリとの"ブログのフェス"として相互にリンクしております。是非合わせてお読みいただければと思います。超精密なエントリでうぎっておりますw
覚悟と渇望 -Borderline えびP

また続編があります。合わせてお読みいただければと思います。
決意と行動 -Borderline えびP
使われているのは鬼束ちひろの『Borderline』です。
-----------------------------------------------------
雑音が静けさに変わる瞬間を
絆が少しずつ欠ける惨劇を
切り裂けば楽になれた証拠を
どうか見逃さないで
置き去るのは過去だけでいい

FEEL ACROSS THE BORDERLINE
NOW YOU'RE SAVED AND YOU UNDERSTAND
さあ 神の指を舐めるの

あらゆる毒がその呼吸(いき)を
潜めては攻め合いを求めてる
FEEL ACROSS THE BORDERLINE
------------------------------------------------------

チェルノブイリをモチーフにしたこの作品ですが、いまこの時期にチェルノブイリについて語るということは、大震災と福島、日本そして日本人について語ることに他なりません。

大震災とそれに続く福島の原子力発電所の事故は、いまなお日本と日本人に暗い影を投げかけています。そして、放射線という目に見えぬ『毒』に犯されたわれわれは悲しみ、嘆き、怒り、その結果として自己と他者の間に境界線を引いて、敵と味方に分かれて、"息を潜めて攻め合いを求め"始めています。

被災者とそれ以外
強制避難区域とそれ以外
福島県とそれ以外
原発推進派と原発反対派
与党支持者と野党支持者
......

そして、われわれ自身が引いた境界線こそが、本来大切にすべき家族、親類縁者、地域、友人、共同体、国の絆をばらばらに引き裂いています。

それこそが、われわれがいま直面している悲劇なのです。

この作品に通底するのは、そうした現状に対する悲しみであり、静かな怒りであり、そしてかすかだけれど、確かに存在する希望であるように感じました。

動画それ自体としては、実写画像とフレーム補間を使ったスローを多用したシーンの数々が、非常に抑制されたトーンの中で、並々ならぬ緊張感をはらみつつ、2分間途切れることなく続きます。一瞬たりとも視聴者が動画から意識をそらすことを許しません。

特に注目を集めるのは下のシーンです。
春香は境界線を引き
春香は境界線を引く

そして自らそれを断ち切る
春香は自ら境界線を断ち切る、そして決然としてそれに別れを告げる

これは上述したような『境界線』からの決別と解放を意味しているのではないかと感じました。

比較的被災地に近い土地に在住し、われわれよりはるかに切実にこの問題をとらえることができた、えびPだからこそ、この作品を作り得たと言うことも出来るかもしれません。

そういう意味で、この動画はいまこの瞬間にこそ存在すべき動画です。そしてニコマスという枠組みを遙かに超えて、われわれの心を穿つ、普遍的価値を持つ存在です。

ニコマスの歴史の中で長く語り継がれるのは間違いないし、ある種の伝説となることも間違いないでしょう。そういう時間を共有できたことを感謝したいと思います。



君のハートにクー・デ・グラ!  覚悟と渇望 −Borderline えびP

Comment

コメントの投稿

Comment
管理者にだけ表示を許可する
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。